1.雪のれん
作詞:瀬戸内かおる
作曲:岸本健介
追って行きたい 行かれぬ理由(わけ)を
知って啼くのか ゆりかもめ
港明かりも 凍てつくほどに
北はしばれて 吹雪いて荒れる
雪のつぶてが みれんに絡む
女ひとりの 港の雪のれん
かもめ通りの 小さな店で
いくつ季節を 変えたやら
ひとりぼっちは 慣れっこだけど
なんでこうまで 淋しくさせる
ふらりも一度 のれんを分けて
笑顔見せてよ 港の雪のれん
春の知らせは まだまだ遠く
今日も朝から 外は雪
恨み言など あるはずもない
少しいい夢 見させてくれた
ひとり今夜も 熱燗つけて
春を待ってる 港の雪のれん
2.博多雨
作詞:瀬戸内かおる
作曲:岸本健介
愛の絆の 結び目そっと
あなたほどいて 消えた人
待つことだけしか 知らなくて
つのる想いが 涙に変わる
ほろり…泣かせる
みれんしぐれか 博多雨
他の誰より 幸せそうに
影が寄り添う であい橋
思い出かさねた この街で
いつかはぐれて ひとりのお酒
ほろり…こぼれる
吐息まじりの 博多雨
傘を斜めに 路地裏づたい
ひとりしぐれて 帰ります
夜更けて淋しい こんな夜は
雨の向こうに あなたが滲む
ほろり…泣かせる
中洲那珂川 博多雨
3.寒椿
作詞:瀬戸内かおる
作曲:岸本健介
窓を開ければ 深々と
夜の静寂(しじま)に しのび雪
いいのいいのよ いいのよあなた
こぼれ散りゆく さだめでも
私… あなたの…
胸で咲きたい 寒椿
別れひと夜の なみだ宿
あなた優しく 抱きしめて
これがふたりの 最後の旅と
そっと抱かれた 雪の夜
朝よ… 来ないで…
咲いて哀しい 寒椿
春を知らずに 散ってゆく
花のいのちの 儚さよ
寒さこらえて 忍んでたえて
雪に隠れて 紅く咲く
私… 淋しい…
冬の花です 寒椿
4.雪花挽歌
作詞:瀬戸内かおる
作曲:岸本健介
鞄ひとつで 降り立つ駅に
ひとひらふたひら 雪の華
そっと差し出す てのひらで
淡く儚く 消えてゆく
二度と戻らぬ 恋ですか
雪が… 風に舞う 風に散る
雪花挽歌
夜行列車が 海沿いの駅
汽笛を鳴らして 入ります
浅い眠りを 揺り起こし
泣けとばかりに 闇で哭く
あなた恋しい 北の宿
雪が… 窓に舞う 窓に散る
雪花挽歌
めくる暦は もう春なのに
私のこころは 冬の色
未練心を 責めるよに
肌を刺すよな 雪になる
寒さ凍える この胸に
雪が… 乱れ舞う 乱れ散る
雪花挽歌
5.あじさい雨情
作詞:瀬戸内かおる
作曲:岸本健介
紫色に 染めながら
何度も色を 変えて行く
こんな小さな 花びらだって
雨の重さに 耐えて咲く
あじさいは あじさいは
まるでおまえの ようだねと
微笑(わらう)あなたが そばにいる
ひと雨ごとに 色をつけ
ひと雨ごとに 散って行く
そんな儚い 運命(さだめ)でいても
そうよけなげに 咲いている
あじさいは あじさいは
あなた好きだと 言った花
散らしたくない わたしです
どしゃ降り雨も 長雨も
ふたりでいれば つらくない
心ひとつに あなたの胸で
そっと今夜も 雨宿り
あじさいは あじさいは
明日に希望(のぞみ)を くれる花
夢を咲かせて くれる花
6.愛は蜃気楼
作詞:岸本健介
作曲:山口正美
遠い…遠い想い出 紡いでも
それは…それはむなしい 蜃気楼
ひとり芝居 もうやめて
恋にピリオド 打ちましょう
馬鹿ですね 馬鹿ですね
ああ今夜も また泣きぬれて
泣いて 泣いて 泣いて
待って 待って 待って
夢のつづきを 見ている
愛は陽炎 恋は嘘つき
涙に滲む 蜃気楼
ふたり…ふたり暮らした この部屋は
今も…今もあの日の そのまま
そうよ何も 変わらない
あなたの心の 他には
馬鹿ですね 馬鹿ですね
ああ今夜も 寒い唇
酔って 酔って 酔って
待って 待って 待って
夢のつづきを 見ている
愛のせつなさ 恋の儚さ
涙に滲む 蜃気楼
馬鹿ですね 馬鹿ですね
ああ今夜も また泣きぬれて
泣いて 泣いて 泣いて
待って 待って 待って
夢のつづきを 見ている
愛は陽炎 恋は嘘つき
涙に滲む 蜃気楼
7.浜千鳥
作詞:岸本健介
作曲:岸本健介
あんたの船が 消えて行く
波がザンブと 飲み込むよ
ここは玄海 無情の海よ
女乗せない 船が行く
あんたは鴎 移り気鴎
二度と港にゃ 帰らんとよ
羽根を休めに 立ち寄って
次の港に 行くっちゃね
わたしゃ涙の 浜千鳥
あんたの背中 見るたびに
男の嘘が 見えていた
男ごころは お見通しでも
知らぬ顔して 尽くしたよ
あんたは鴎 気ままでよかね
明日の塒(ねぐら)は 風まかせ
追って行きたい 行けんとよ
沖へ向かって 飛べんちゃね
わたしゃ涙の 浜千鳥
あんたは鴎 移り気鴎
二度と港にゃ 帰らんとよ
羽根を休めに 立ち寄って
次の港に 行くっちゃね
わたしゃ涙の 浜千鳥
8.忘れへん
作詞:瀬戸内かおる
作曲:岸本健介
あんたのことは 忘れんからね
何処で生きても 忘れへん
うちもいろいろ 理由ありやから
ついて行かれん 行かれへん
旅立ちの 身支度だけは
うちのこの手で してあげる
うしろなんか 振り向かず
歩き続けて 欲しいから
淋しいけど つらいけど
あんた東京へ 行けばいい
あんたの声が あんたの歌が
深夜ラジオに 流れたら
うちは泣かへん おんなやけど
やっぱうちかて 泣くやろね
やさしさが 胸にあふれ来る
そんなあんたの ラブソング
夢が叶う その日まで
唄い続けて 欲しいから
淋しいけど つらいけど
あんた東京へ 行けばいい
やさしさが 胸にあふれ来る
そんなあんたの ラブソング
夢が叶う その日まで
唄い続けて 欲しいから
淋しいけど つらいけど
あんた東京へ 行けばいい
淋しいけど つらいけど
あんた東京へ 行けばいい
9.おんな雨
作詞:瀬戸内かおる
作曲:岸本健介
離さないでと 縋(すが)った夜を
思い出させる 今夜の雨は
涙まじりの 驟(はし)り雨
なんでこの胸 濡らすのよ
はらはらと ほろほろと
ひとり泣きする おんな雨
冬も間近と 駆け行く雨は
別れ涙の しずくでしょうか
夢を重ねる 人もなく
肩を寄せ合う 人もない
はらはらと ほろほろと
しのび泣きする おんな雨
恋の儚さ 脆(もろ)さに泣ける
夢をも一度 見せてよあなた
風の音にも 振り返る
雨の音にも 泣ける夜
はらはらと ほろほろと
ひとり泣きする おんな雨
10.酒しずく
作詞:石本美由起
作曲:岸本健介
恋が男の 芝居なら
女泣かせて 幕になる
死ぬにゃ死なれず 忘れも出来ず
あなた 恋しい 雨の居酒屋
未練しとしと 酒しずく
口にふくんだ 酒だけが
泣ける心を なぐさめる
酒よ今夜は 酔わせて欲しい
あなた 恋しい 愚痴の捨て場所
おちょこ相手に ひとり言
いつも女の 身の上は
男次第で 変わるもの
二度と逢えない 運命でしょうか
あなた恋しい 肌の寒さよ
涙まじりの 酒しずく
11.恋夜酒
作詞:田村和男
作曲:岸本健介
せめて一夜の夢でもいいの
酔ってあなたに 甘えたい 甘えたい
つくしてもああ つくしても
つくし足りないわ
恋は瑠璃いろ 心は涙いろ
わたしひとりよ ねえ あなた 恋夜酒
心づくしの 手料理ならべ
待てばせつない 雨の音 雨の音
あの人は ああ あの人は
どこで雨やどり
恋は瑠璃いろ 心は涙いろ
ついでつがれる人もない 恋夜酒
肌の寒さは あなたのせいよ
すがるお酒の ほろにがさ ほろにがさ
酔えないわ ああ 酔えないわ
ひとりまよい酒
恋は瑠璃いろ 心は涙いろ
抱いて下さいもう一度 恋夜酒
12.晩愁海峡
作詞:瀬戸内かおる
作曲:岸本健介
冬の身支度 急かせるように
晩秋のしぐれが
港桟橋駆け抜ける
すがる胸さえ…
別れ言葉も ないままに
あなた海峡 波の上
汽笛が鳴けば 鴎も啼いて
あの人連れてゆく
海は荒波 群れ飛ぶ鴎
北のはずれの
一夜泊まりの風港
ここで暮らすと…
云ったあの夜の 腕まくら
夢の破片が 波に散る
汽笛が鳴けば 鴎も啼いて
あの人連れてゆく
恋は引き潮 慕いは満ちて
遠くなるほど
あなた恋しさ増すばかり
はるか海峡…
追って行きたい 行かれない
私悲しい 恋小舟
汽笛が鳴けば 鴎も啼いて
あの人連れてゆく
13.ひとり日本海
作詞:瀬戸内かおる
作曲:岸本健介
泣き濡れて ひとり桟橋
あなた私が 見えますか
凍てつく風に 羽根震わせて
朝を待てずに 鳴くかもめ
あゝあなた…あなた
寒いこの胸 抱きに来て
ヒュルル ヒュルル ヒュルルルルルル
おんなひとりの 日本海
悲しみの 色に染まって
北の岬は 冬篭(ごも)り
浪打ち際に 咲く水仙は
まるで私の ようですね
あゝ愛が…愛が
風にまかれて 散り急ぐ
ヒュルル ヒュルル ヒュルルルルルル
あなた恋しい 日本海
あの人と そうよふたりで
いつか旅する はずでした
はぐれてひとり 訪ねた港町(まち)は
哭けとばかりに 風が吹く
あゝ明日は…明日は
私どの港町(まち) 辿り着く
ヒュルル ヒュルル ヒュルルルルルル
おんなひとりの 日本海
14.綾子ONDO
15.浪花の母
作詞:泉俊輔・岸本健介
作曲:岸本健介
女房子供を 泣かせるような
そんな亭主は いらんとゆうて
辛い涙を 笑顔に隠し
屋台ひきひき 帰り道
通天閣見上げて 言わはった
浪花の母ごころ
(セリフ)お母ちゃんの口ぐせやった。
「男やったら通天閣みたいに、ドーンとかまえて
天下取る気できばらなあかん
そやけど女は違うで・・・好きな人に可愛いがってもろて、
一生添いとげる、これが一番幸せなんや・・
お母ちゃんのまねせんといてな。」
私のこの手で お母ちゃんだけは
何が何でも守ってみせる
やっと苦労が 花咲きかけて
母娘暖簾を 出せました
道頓堀あたりに ゆれている
浪花の夢あかり
(セリフ)元気だけが取り柄やゆうてた、お母ちゃんが
ほんま あっけのう逝ってしまはった。
苦しい息の中「あんなお父ちゃんやったけど、
お父ちゃんにはお父ちゃんなりの夢があったんや。
それをわかってあげへんかったお母ちゃんも悪かったんや
あんたに淋しい思いさしたなぁ・・・許してな。」
そうゆうてこぼさはったお母ちゃんの涙は忘れへん。
情に泣いても 貧乏に泣くな
母の教えが こころの支え
今日は泣いても 泣いてもええか
両手合わせる ご命日
お母ちゃん見ててや 私のこと
浪花で生きてゆく
16.夢は果てなく
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